キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

キャリコンに熱いおもいをインタビュー
増井 一 さん
増井 一 さん

個の価値観に基づいた生き方や働き方を支援したい

キャリアコンサルタントになろうと思ったきっかけは何ですか。

高年齢者雇用安定法の改正で65歳までの雇用が義務化されたことで、中高年社員に対する新たなキャリア支援が必要になったことです。それは、若年層からキャリアを考える機会を設けることが必要なことを認識させてくれました。他社の人事部門との情報交換や技能士会でのネットワークが、社内インフラ整備などキャリア支援体制を構築するときとても役に立ちました。

キャリアコンサルタントとして活躍するにあたって工夫していること、
心掛けていることはありますか。

環境変化が激しい時代にあって、キャリアを考える必要性を理解してもらうことを大切にしています。そのため、法律改正を含めた世の中の動向、業界や会社の動向、職場や仕事、家庭など自分を取り巻く変化などを分かりやすく説明するよう心掛けています。「なぜ、キャリアを考えなければいけないのか」を理解することで、クライエントは自分事としてキャリアを考え始めます。

キャリアコンサルタントとして活躍する秘訣と座右の銘があればそれを教えてください。

キャリアコンサルタントのネットワークを広げながら、一緒に仕事をする機会を設けたり、各々が持っている情報を共有することです。2016年に国家資格のキャリアコンサルタントが誕生し、現在では6万人を超えています。会社に在籍するキャリアコンサルタントも急速に増えているので、企業内のキャリアコンサルタントと社外のキャリアコンサルタントが協働できる機会は増えていくものと思います。私が大切にしている座右の銘は「初心、忘るべからず」です。キャリアコンサルタントとして最初に面談したクライエントのことを想い出すと、当時の自分の気持ちが蘇ってきます。

今後の目標をお聞かせください。

定年退職してから現在まで6年間、セルフ・キャリアドックの導入支援を行う厚生労働省の委託事業に参加しています。大企業から中堅、中小まで多くの会社で、人事あるいはキャリアコンサルタントとセルフ・キャリアドックの導入や運営について取り組んできました。その経験を踏まえて、キャリアコンサルタントの仲間と「セルフ・キャリアドック入門」(2019)、「セルフ・キャリアドック実践」(2021)を出版しました。今後も企業でのキャリアコンサルティングの普及に携わっていきたいと考えています。

キャリアコンサルタントとして情報集をどのように活用されていますか。

自分一人の経験は、限られた範囲のものでしかありません。自分が経験できないことを情報集から知ることができます。貴重な情報源として活用させていただいております。

これからキャリアコンサルタントを目指す人や有資格者にむけてのエールをお聞かせください。

ある先生からキャリアコンサルタントに最も必要な力は「人間力」だと教えていただきました。お聞きした当時は「人間力ってナニ?」とぼんやり考えていました。クライエントとの相談経験を積んでいくなかで、キャリアコンサルタントに必要不可欠なものと実感しています。人間力の学びは「書から学ぶ」「経験から学ぶ」「人から学ぶ」の3つだとも教えていただきました。先達の書かれた書籍を読み、様々な経験を積み、幅広い人間関係を築き教えてもらうことです。「このキャリアコンサルタントなら相談したい」と言ってもらえるようになりたいものです。