キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

再就職支援会社への出向が大きな転機

私が「キャリアカウンセラー」としてしっかり学ぼうと思ったのは37歳の時に再就職支援会社に出向をしたのがきっかけです。

それまでは、人材紹介会社で自ら転職をしたいという方の転職活動を支援していました。しかし、再就職支援会社では、急遽、会社の都合で就職活動を余儀なくスタートしなければならないという方と向き合うことになったからです。それまでは、キャリア＝仕事の側面が強かったのですがそれだけでは、クライアントの方に向き合うには私自身の経験やスキル不足を感じました。キャリア理論を体系的に学んだことにより、キャリアの捉え方も豊かになりクライアントへの向き合い方も就職支援も大きく変わりました。思えば、この再就職会社に出向した経験が私自身の大きな転機にもなりました。新卒で入社した会社は、仕事もやりがいを感じ仲間にも恵まれましたがとにかく忙しく、最後の10年間はまさに仕事中心の生活でした。日々の仕事に向き合っているうちにあっという間に月日が流れ、女性としての年齢やライフイベントについて深く向き合わないままでした。

そんな中、自らの第二の人生を切り開いていく50代60代のクライアントの姿に勇気と刺激を頂き、自然に自分のキャリアや可能性にも向き合うことになりました。今まで重要だと思っていた「仕事における市場価値」や、「会社組織の中での期待される役割」という視点だけで考えるのなく自律したキャリアデザインをしていくことが大切だと思いました。自分と向き合って出てきたのが、「本当にやりたいことをしたい」「子供を産み育てたい」という思いでした。その流れで、39歳の時に思い切って会社を辞めて独立しました。

クライアントの変化から、定期的な面談の重要性を学ぶ

フリーランスとなってからは、企業のＣＳＲ事業やプロジェクトで若者やひとり親（シングルマザー）の就労支援に携わっています。その中でも、「ひとり親の就労支援でのプロジェクト」は、「就労アドバイザー」として4期（約4年間）携わりました。一回の面談ではなく、毎月の面談を通して変化成長していくクライアントの姿をみることが出来たのは、嬉しい経験でした。といっても、堅苦しい面談ではなく、仕事以外のことも安心して話せるようなリラックスした楽しい場になることを心がけました。

初回の面談では、離婚直後で住むところも支援施設でまったく余裕がなかった方が1年後には、就職をして仕事も生活も安定して、「将来はこうなりたい！」とこれからの夢を語るというケースと出会うことも出来ました。「自分が生き生きと変わったことが、子供の成長に繋がり良い影響をもたらしている。」と感想を頂き、私が感激したのを覚えています。このプロジェクトを始めたころは、子供はいませんでした。新米のワーキングマザーになって、ひとりで仕事、育児家事を頑張っている先輩ママたちから学ぶことも多く、クライアントとともに成長出来るのもとても貴重な経験でした。

私自身の経験を踏まえて、「自分らしい選択」の応援をしたい

また研修講師として、若手社員や、次世代のリーダー候補、両立社員など多様な女性社員のキャリア研修を担当させて頂いています。私は、幸運にも40代で、妊娠出産することができましたが、やはりとても大変でした。保育園探しもフリーランスゆえに狭き門でしたが、今後の「働き方」を考えることになりました。また今も仕事と育児の両立で日々試行錯誤です。何とかこの共働き育児を通して、育児経験をマイナスではなく仕事にプラスにしながら成長したいなと思います。私自身の経験もありのままにお伝えすることで、女性ならではのライフイベントも踏まえ、これからの10年をどう描いていくのか、考える機会をもって欲しいと願っています。キャリアも多様化してきた今だからこそ、「自分らしい選択」をして欲しいと思います。私も発展途上中ですが、カウンセリングや研修を通じてそのきっかけを作れたらと考えています。

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