キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

マンスリーコラム

2016年7月号

人生を幸せにする「少しの工夫」と「少しの勇気」

健全な疑問

まず初めに、みなさまにお聞きしたいのですが、

「満員電車に乗っていますか? もし、乗っているならば、それはなぜですか?」

なぜ、このような質問からさせて頂いたのかと申しますと、

満員電車ほど、意味が無く、不毛な機会であると思っているからです。

ストレス、時間、トラブルのリスクがある満員電車に乗る意味は

果たして本当にあるのでしょうか?

「え??何で??それは当然でしょ。だって、始業時間を考えれば止むを得ずで仕方がないでしょう。

むしろ、ラッシュを避けられるのはフリーランスの方や大企業の役員くらいじゃないのでしょうか。」

と思う方が多いのではないかと思います。

でも、始業時間を考えるならば、朝早く、例えば、7時に出社すれば、大きな混雑は回避出来ます。

「7時出社だと、相当早い時間に起きなければならないけど・・・」

「5時に起きれば良いですよね。」

「5時起床だと寝不足になっちゃうけど・・・」

「だったら、早く寝れば良いですよね。」

「早く寝たいけど、残業あるし、他にもやる事あるけど・・・」

「残業を無くすために朝、仕事すれば良い訳ですよね。他にやる事?それは本当に必要なことですか。」

もちろん、家庭環境によっては、物理的に不可だという人がいるのは事実だと思いますが、

多くの人が自分自身の時間、即ち、自分自身の人生を過去慣習で過ごし、

結果として、コントロールする意志を持っていないような生き方をしているように思います。

だから、満員電車という単にストレスフルでしかない場所に、

「これまでこうだった・・・」「これ以外に方法はない・・・」と捉え、

思考することを放棄し、自分の人生にも関わらず、環境任せ、他人任せな人生を

送っている方が多いように思っております。

キャリア

「キャリア」と聞くと、

一般的には仕事に関する過去・現在・未来を考えるものとして捉えられている印象が強いように思います。

たしかに、一つの切り口としてはその通りで、

仕事を軸に人生を考えることが一般的であるように思います。

でも、そもそも、我々の人生は仕事だけではありません。

我々が生きていく上での大前提。

それは、「幸せになりたい」

仕事も含めて、1日24時間、約80年の人生をどのように生きて、

どのように幸せを掴むのかを探求すべきであると考えます。

でも実際はどうでしょうか。

自身の人生の幸せにフォーカスし、仕事に限らず、家族との時間、日々の物の見方、捉え方、

1分1秒の時間の使い方、などをどれほど考えているのでしょうか。

「あなたは、限られた24時間の中、属する組織のルールがある中、

自らの幸せを掴むためにどんな工夫をしていますか?」

の問いに真正面から向き合っている人がどれだけいるのでしょうか。

私の印象としては、人生という観点から捉えている訳ではなく、所属する組織や団体の風土、文化に流され、

自身の人生を他人任せ、環境任せで日々を過ごしてしまっている方が多いような印象を持ちます。

たしかに、風土、文化、これまでの慣習により、実際に出来ることは限られ、

そして、出来ることは些細なことかもしれません。

それでも、やはり、自分の人生の幸せとは「自分の人生をコントロール出来ている感覚」を持つ事で

はじめて得られるものであり、だとすれば、「少しの工夫」を持つことはキャリアを考える上では

大前提の1点目であると考えます。

生きる力

私は現在、主に3つの役割を行っております。

1:企業研修の講師

2:マインドフルネスの日本への浸透

3:真面目に不真面目なビジネススクールの「The Life School」の企画・運営の顔

これらの役割の中で、受講者や参加者、ステークホルダーにお伝えさせて頂いているメッセージが、

「今日の自分を見つめて、出来る自分、出来た自分を見つけてほしい。カッコイイ自分に気づいてほしい。」

です。

先ほどお伝えした通り、幸せとは、「自分の人生をコントロール出来ている感覚」だとすれば、

「少しの工夫」に加えて、その工夫を体現するためのチャレンジが必要になります。

ただ、チャレンジをする前には、多くの人が躊躇したり、不安を持ちます。

それを払拭するのは、「少しの勇気」であると考えます。

では、その「少しの勇気」を持つために必要な事はなんでしょうか。

それは、「バンデューラ」のスモールステップによる自己効力感を高める事が有効な手段の一つであると考えます。

日々の振り返りの中から、「自分は出来た、出来る。カッコイイ自分が見つかった」など、

健全に自分を褒める力を養う事で自己効力感が高まり、「少しの勇気」に繋がるものと考えます。

この「少しの勇気」を持つことがキャリアを考える上で、言い換えれば「自分の人生の幸せを掴みとる」上では、

大前提の2点目だと考えます。

最後に、改めて。

我々には、自分の人生を幸せにする権利があります。

そして、そのために、自分の人生をコントロール出来る権利もあります。

これまでの物の見方や捉え方により、無意識に幸せを掴み取る事を放棄することなく、

「少しの工夫」と「少しの勇気」で自分の人生の主役として生き抜きく人が

1人でも多く増えていく事をこれからも追及していければと思っております。

谷口 秀人(たにぐち ひでと)

谷口 秀人(たにぐち ひでと)

株式会社RiceBall 代表取締役
The Life School ディレクター

大学卒業後、住宅設備メーカーに入社。厳しい環境の中で鍛錬の日々を過ごす。その後、転職した広告会社、人材育成コンサルティング会社の2社での役員を経て、2015年に人材育成企業の㈱RiceBallを設立。
年間100日間の企業研修では、自身の大いなる失敗体験を踏まえ、組織に属しながらも、組織にぶら下がらない「個で立つ」ビジネスパーソンの発掘・育成をテーマに活動中。

資格:米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー

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