キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

私は2019年に国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。早5年が経過し、先日初めての資格更新をしました。約5年前の資格取得時を思い返すと、当時勤めていた会社で採用業務に携わり、多くの求職者と関わる中で言葉にできないモヤモヤを感じていたことがきっかけで養成講習を受講し学び、キャリアコンサルタントの資格を目指しました。

一人ひとりが異なる考えや価値観を持ち、それは年齢や状況、経験によって変化していく

採用業務は経営陣から求められた採用要件に満たした人財を決められた人数、最少コストで採用すること。そして、入社後に活躍いただき、さらなる企業価値向上に貢献していただくことがミッションだと思っています。決して簡単なことではありません。
採用選考でお会いする求職者は一人ひとりそれぞれ置かれている状況は違い、職業キャリアに対する想いも違います。私は求職者に寄り添いすぎてしまう採用担当者だったことで、業務ミッションの達成と求職者の想いの狭間でモヤモヤしながら仕事をしていました。養成講座ではさまざまなキャリア理論やカウンセリングスキルを学び、特にロジャーズとサビカスの理論にはハッとさせられたことを覚えています。
資格取得の学びを通し、採用担当者として人生のターニングポイントに関わる責任とキャリアに関する正しい知識をもって立ち会わないといけないというただならぬ使命感をより強く感じるようになりました。資格取得後からこれまで採用業務だけではなく、幸いなことに企業人事担当者として多くの業務を経験させてもらいました。様々な境遇にいる求職者、そして社員とも関わることで学びの知識は活かされていると今も実感しています。

初めての資格更新を経て、考えたこと

2024年3月末時点でキャリアコンサルタントは全国に72,567名、キャリアコンサルティング技能士については1級が621人、2級が11,173人と活躍されている有資格者がたくさんいらっしゃいます。しかし、2023年12月に公表された「キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会報告書」の調査結果をみるとなんと約30％の人が更新をしておらず、更新率は約70％です。
更新しない理由は、「仕事（ニーズ）がない」を理由に、活動していない者や登録更新を行わない者が一定数いると報告書には記載されていました。資格を取得しても活用しきれていないなど理由は様々です。有資格者ではあるがキャリアコンサルティングの活動を行っていないキャリアコンサルタントの割合は上昇しているそうです。一有資格者として私はこれから何ができるのだろうか、キャリアコンサルタントの存在意義って何だろうかと改めて考えてしまいました。

キャリアコンサルタントには有用性があります

キャリアに対しての解釈や考え方は相談者によって異なり、状況やその時々で変化します。相談者の想いを踏まえて柔軟に捉えるのが重要であることを資格更新の学びを通じて再認識しました。しかし、2022年度の能力開発基本調査によると前年度にキャリアに関する相談を利用した労働者は全体の10.5％と僅かです。これは悲しい結果であるとともにキャリアコンサルタントが活躍できる機会損失ではないかとも感じています。
資格取得してからの5年間は企業の採用業務を中心に活動してきました。細々と社外でキャリアコンサルタントとしての仕事も経験しています。そしてACCN発足時からACCN東京支部の運営メンバーとして活動のお手伝いもさせていただいています。次回の資格更新までの５年間は「キャリアコンサルタントに相談することは有効だ」、「まずキャリアコンサルタントに相談しよう」とキャリアの悩みはキャリアコンサルタントへ気軽に相談できる機会をより創出していきたい！と強い想いを抱いています。個人として、仲間とともにできることを少しずつ行動していきます。

「できると思えばできる、できないと思えばできない。これは、ゆるぎない絶対的な法則である」Pablo Picasso（パブロ・ピカソ）
「夢は語ったほうがいい。言わなきゃ、何も始まらない」三浦知良（キング・カズ）

最後にACCN東京支部では3か月に1度の頻度で支部イベントを開催しています。多くの参加者からキャリアコンサルタント同士の横のつながりを期待する声をいただいています。また、先輩有資格者がどのような活動を行っているのか情報収集したいという要望もいただいております。これからも皆さんのニーズに応えられる支部活動、支部イベントを取り組んでいきます。
ぜひ、機会があれば一度ご参加ください。

コラムの感想等はこちらまで（協議会　編集担当）

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