キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

マンスリーコラム

2016年11月号

この世界に生まれてきた子どもたちに、生きること・働くことの喜びを伝えたい

キャリアカウンセラーになる前の私

・誕生〜20歳

1975年大阪生まれ。父の転勤により、1歳にて東京へ。10歳より千葉県佐倉市に家族で移住。青山学院女子短期大学児童教育学科卒。

・20歳〜25歳

就職超氷河期に親の縁故で銀行に入ろうとするも失敗。どうしても就職する気が起きず、悶々と悩み、音楽のプロを目指すことを心に決め、親の反対を押し切り、専門学校とYAMAHAにて電子オルガン漬けの日々。そこそこの賞などは頂くものの、食べていけるほどの実力のなさを痛感する。

・26歳〜31歳

25歳のときに、音楽の道で行くのか、ビジネスの世界で生きるのかを考え、ビジネスを選択。当時アルバイトをしていたリクルートエイブリック(現リクルートキャリア)からソフトバンクBB(現ソフトバンク)へ、正社員の人事部採用担当として転職。2004年、再びリクルートエイブリックへ出戻り、企業の採用支援の仕事に携わる。2006年にベンチャーの人事・組織コンサルティング会社へ転職し、広報・マーケティングに携わる。

・32歳〜現在

2007年9月よりフリーランスのキャリアカウンセラーへ。この仕事を世の中に広めたい、稼げる職種にしたいと独立を決意。2009年4月に結婚と同時に夫の転職が決まり、地縁のない伊豆高原(静岡県伊東市)へ移住。新しい環境でチャレンジ中。

キャリアカウンセラーという仕事の魅力

プロフィールをご覧いただいてわかるように、私の人生も「転機」の連続。自分で意思決定したことだけではなく、親の転勤や夫の転職による「転機」もありました。自分がやりたいことを優先した「転機」もあれば、大学受験の失敗や、就職氷河期による就職活動失敗など、自分の努力不足や社会的背景の中での失敗も含めた望まなかった「転機」もあります。

望もうが望まなかろうが、日々、いろいろなことは起き、大小はあれ、生きている限り、意思決定の連続だと私は考えています。同じ出来事を幸せと捉えるか、不幸と捉えるかですら、自分の意思だと私は思うのです。

とはいえ、不可抗力なことや、家族により、もたらされた転機に対してなどは特に、葛藤することもあります。「私が選んだわけではない」と思ってしまったりすることもあります。受験勉強不足で大学を落ちた時も、言い訳できない状態だし、「幸せ」と捉えることすら難しい。そんなことも多々ありました。

そんな私ですが、このキャリアカウンセラーという仕事に出会い、自分の過去や今までの人生を含めて、肯定的に捉えることができるようになりました。自分のガタガタに見えるキャリアに、つながりを感じられるようになったのも、この学びがあったからです。

そして、一見ガタガタなキャリアに見える自分だからこそ、今までのご経験やご自身に自信が持てないクライアントさんからも安心してご相談をいただけるので、自分の人生を活かせていることに魅力を感じますし、この仕事に心から喜びを感じています。

多様化する働き方、生き方

キャリアカウンセラーとして独立する前から、人材紹介会社や企業の人事部として18年間、「採用」や「キャリア選択」の現場に携わり続けています。

この18年間だけでも働き方や生き方が多様化しました。多様な人々、多様な価値観、多様な選択肢。そしてIT・インターネット、ソーシャルメディアの普及による溢れる情報の波。その中で2016年4月にキャリアコンサルタントが国家資格化。ますます必要とされる仕事、職種であることを実感しています。

そして、自分自身がどれだけ多様な価値観を受容できるか、自分の心と向き合い、探求し、様々な立場に立ち続けるためのトレーニングが必要であると気を引き締める日々です。

多様な生き方、働き方に触れるために書籍を読み、ワークに通い、様々な境遇・価値観の方にリアルに触れる。芸術や文化などに触れる時間も増やし、自分の心のひだを多くするための時間を確保したりしています。

今まで通りの自分だけの経験や価値観に縛られると、今の子どもたちや若い方が置かれた状況や世界観の中に、共に立つことができないからです。

キャリアカウンセラーになりたい方へ

「クライアントさんの生き方や人生にダイレクトに関わり、クライアントさんが望む生き方や人生に寄り添い、支援する」ことを私は大事にしています。この仕事に魅力も重みも多々感じてきました。

支援しきれず悔しいこともあります。クライアントさんのニーズに合わず、叱られることもありますし、失敗することもあります。自分自身の人生も日々続いているので、悲しいことや辛いことがある日でも、クライアントさんに向き合わなければならないときもあります。

心理学の先生に「カウンセラーは聖人君子ではない。だからこそ魅力的でもあり、でもプロとして自分の心に向き合う必要がある」と教えていただき、それ以来、自分自身に取り組み続けています。

クライアントさんと向き合うその瞬間、オープンでクリア、そしてニュートラルであれるように、自分と向き合い続けるトレーニングは欠かせないのです。簡単な仕事ではないし、自分の心と向き合い続けることが大変な時もありますが、魅力的な仕事だと自負しています。クライアントさんに信頼され、彼らの人生の深い部分を共有してもらえることで、私自身の生き方が変化し、多様な価値観に触れ、成長を実感できることもよくあります。

キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントを目指す皆さんと、「働くこと、生きること」が喜びであると感じられる世の中をつくるために、共にこの道を歩んでいけることを心から願っています。

そのためにも、まずは、私自身が、イキイキと時に訪れる困難を乗り越え、自ら生きること、働くことの素晴らしさを体現していきたいと思います。

齋藤 めぐみ(さいとう めぐみ)

齋藤 めぐみ(さいとう めぐみ)

■キャリアカウンセラーとしての活動内容■
小中高校生向けのキャリア教育授業や保護者向けの講演、企業内キャリア研修や地域活性化支援など、自分と関わる人に「生きること・働くことの喜びを伝えたい」というビジョンを掲げ活動中。

■保有資格■
米国CCE.Inc認定キャリアカウンセラー
国家資格キャリアコンサルタント

コラムの感想等はこちらまで(協議会 編集担当)

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