キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

マンスリーコラム

2023年8月号

あなたはどんな世代の方でしょうか?

いつの時代も「ゆとり世代」や「ミレニアル世代」のような「〇〇世代」という呼び方が存在していますが、最近ですと「Z世代(ゼット世代)」の言葉を聞く機会が増えてきました。現在では、10代前半から25歳くらいの若者、就活生や新入社員がZ世代にあてはまります。
特徴はインターネットや各種デバイスが常に身近に存在しており、スマートフォンなどの機器やSNSを「当たり前」に利用している世代です。情報収集の違いから新聞を取っておらずTVもほとんど見ないといった状況で、Webメディアでの情報収集が当たり前の世代です。

学生にホワイトボードを指しながら「必要な部分はメモしておくように。」と伝えるとどうでしょう。一斉にスマホを構えて「写メ」を取るのではないでしょうか。
上司から「○○について辞書でも引いてきちんと調べておくように」と言われたその場でスマホ検索を始めます。世代の違いを知らない上司からすれば「仕事中に携帯で何をしているのだ!」と誤解から叱りつけたくなると思います。

私は学生には「調べ物をしたいので携帯を使用してよろしいでしょうか」と上司に許可を得てから調べるように指導しています。上司側は「携帯を触る=ゲーム・遊んでいる」と捉える可能性があるのだということを理解させています。

また、Z世代は、それ以前の世代と比べて、社会問題への関心も強い傾向があります。
SDGsに代表されるような環境問題への取り組みや、多様性に関する考え方に若いうちから触れていることや、東日本大震災などの災害にも接しており、そういった問題への関心が高い傾向があります。

また、SNSの交流や情報発信の場が身近にある事が影響して「自分の価値観に合うかどうか」といった視点を重視する傾向があります。
一律であることが正しいとするのではなく、個々人の多様性を尊重します。
他の世代よりもワークライフバランスを重視する傾向も見られます。
しかしながら自分の価値観を偏った形で理解している、または社会性の乏しさから思い込みも考えられます。そこでキャリアコンサルタントの支援が必要になるのは理解できることと思います。

Z世代の次の世代は「α世代」で、2013年から2020年代中頃までに生まれる世代を指します。まだ生まれたばかりの乳幼児や児童も多くあてはまるため、特徴や傾向については未知な部分がほとんどです。コロナでマスク生活やコミュニケーションを制限された時代に成長している彼らはどんな特徴を持っているのでしょうか。キャリアコンサルタントは、いち早く情報をキャッチしておくべきかもしれませんね。

あなたや目の前のクライアントは、何世代でしょうか。
「近頃の若いもんは・・・」や「俺たちの若いころは・・・」といった常套文句も元を正せば、価値観の違いによって発せられるわけで、その差は市場変化や社会(環境)変化によって生まれており、自分の知らない世代の特徴を理解していないからだと思います。

就活生や新入社員が先輩・上司を怖れて緊張しているのはその世代の特徴を家族くらいしか知らないからです、決めつけないよう注意が必要ですが彼らにも世代についての特徴の情報提供が必要なのかもしれませんね。

社会は「若者は、未知であるから魅力であり、彼らが担う未来に期待」をしています。
キャリアコンサルタントは、お互いの価値観の違いを共有し楽しめるよう支援していきたいですね。そのためには会話やコミュニケーションが重要になります。

このように、まだまだキャリアコンサルタントの活躍はこれから期待されていると思います。

藤城 敦子(ふじしろ あつこ)

藤城 敦子(ふじしろ あつこ)

MCサポート株式会社 代表取締役
公認心理師・1級キャリアコンサルティング技能士・1種衛生管理者・2級ファイナンシャルプランナー技能士を取得しメンタルヘルス・コミュニケーション・キャリア開発・人間関係開発・リーダーシップ能力開発など幅広く支援を行っている。
企業・教育現場・官公庁での公演、講義、講師の他、後進カウンセラーの育成にも力を入れている。

コラムの感想等はこちらまで(協議会 編集担当)

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