キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

マンスリーコラム

2014年6月号

無くて五癖?

6月に入りました。空がどんよりしていると、気分まで沈み気味...。
4月から新しい環境になった方は、何となく疲れや不安を感じていませんか?
そろそろ新しいことに挑戦しようと思っていた方も、先送りしている自分に何だかイライラし始めていませんか?

そんな「何となく感じている不安やイライラ」も、時間が経つと、それに慣れて感じなくなってしまったり、今更・・と諦めてしまったり、知らないうちに問題が大きくなってしまうこともあります。

私は、キャリア形成やワーク・ライフ・バランスに悩む方、また、自立に悩む若年無業者の方々のご相談を受けて来ました。
キャリア・コンサルティングでは、昇進・昇格、就職・転職、育児や介護との両立など、人生の転機に直面した方がしばしば相談に来られます。但し、その段階では、既に問題が現実のものとなっているため、解決に時間がかかるケースも少なくありません。そこで、「何となく不安」に感じている段階で問題に向き合い、解決策を検討し始めれば、大きくなることを未然に防止し、時間をかけずに解決することが出来るはずです。

では、どうしたら早い段階で解決に向けて進むことが出来るのでしょうか?
それは、自分の癖を知ることから始まります。自分では気づかなくても、問題に向かう姿勢に以下のような癖が潜んでいることがあるのです。

①蓋閉め癖
「大したことではない」「気にしないようにしよう」などと、問題を無視したり、見て見ぬふりをしたりと、蓋を閉めてしまう癖です。でも、人として、社会人として、組織人として成長していくためには、自分の問題を直視することが大切です。

②先送り癖
「そのうちどうにかなる」「今は忙しいから、いつか始めればいい」などと、問題の解決を先送りしてしまう癖です。
勿論、先送りしているうちに環境が変わり、自然と問題ではなくなることもあり得ますが、いつもそううまくはいきません。また、次第に慣れてしまって、問題を感じなくなってしまうこともあります。

③今更癖
「今更、こんなこと人に聞けない」「今更、言っても始まらない」などと、諦めてしまう癖です。しかし、その間に問題が大きくなってしまうことも少なくありません。

④どうせ癖
「どうせ、自分には無理だろう」「どうせ、解決なんて出来やしない」などと、蓋を二重に閉めてしまう癖です。こうなると、解決が一層難しくなってしまいます。

⑤抱え癖
一人で解決するのは難しいサイズに膨らんでしまっても、「自分の問題は自分で解決するもの」「人に頼ったところで、どうにもならない」などと、一人で抱えてしまう癖です。一人で抱えてしまったら、解決は、ほど遠いということになってしまいます。

そんなあなたの問題解決をお手伝いするのが、キャリア・コンサルタントです。
ただし、あなたの代わりに解決するわけではありません。あなたが自分で問題を解決するための鍵穴を一緒に探し、あなたが扉を開けるためのサポートをするのです。誰かに相談するのは荷が重いと思っているあなたも、問題を抱え続けることの方が辛いはずです。ちょっと勇気を出して、キャリア・コンサルタントに相談してみませんか?

本格的な夏はもうすぐそこまで来ています。
どんよりした気分を脱ぎ捨てて、爽やかな気持ちで夏を迎えたいですね。
人生で晴天を迎えるには、'どんより時期'に準備やアクションが必要です。

まずは、自分の癖に気付いて、自力で始めてみるも良し。
勿論、誰かに相談してみるのも良し。思い立った時が吉日です。
自分の問題に正面から向き合うことを今日から始めてみませんか?

安藤 博子(あんどう ひろこ)

安藤 博子(あんどう ひろこ)

1958年8月東京都生まれ
2級キャリア・コンサルティング技能士
特定非営利活動法人育て上げネット 若年支援事業部担当部長
株式会社キャリアネットワーク チーフコンサルタント

コラムの感想等はこちらまで(協議会 編集担当)

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