キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

マンスリーコラム

2017年10月号

「Here and Now」~今置かれている環境にしっかりと向き合ってベストを尽くす先に、ありたい自分の姿が見える~

自分のキャリアをふりかえってみると

私は現在多くの企業で研修を通して人材育成の支援を仕事にしています。また、2011年にキャリアカウンセラーの資格を取得後は、次世代のリーダー候補の方々のキャリア研修や再就職をする方を対象としたスキルのブラッシュアップ研修を数多く担当するようになりました。人が何かに気づき、「私にもできるかもしれない!」「あっ、そういうことだったのか!」と納得した時に、意識が変わっていくとともに、行動にも変化がもたらされます。主体的に仕事に向き合うことで仕事の楽しさや喜びを感じてもらいたい、そんな支援を研修を通して行っています。

この大きなやりがいを感じる仕事にたどり着いた道のりは、時に回り道をしているように感じられるくらい紆余曲折でした。では、どのようにキャリアをスタートさせたのか、その道のりをさかのぼってみます。

「人生最大の危機!?」20代でキャリアの転換期

1980年代、世の中がバブル景気に向かって経済が上り坂になっている頃、大学生活を送っていました。何となく、華やかで、浮かれている、そんな空気感があったようにも思います。女子大生ブームと言われ、テレビでもラジオでも女子大学生がもてはやされていました。御多分に漏れず、私も女子大生活を謳歌し、学業と並行してイベントのコンパニオンやナレーターの仕事をしながら忙しい日々を送りました。バブル景気に沸いていたので、イベントや展示会の仕事が多く、そこそこの収入があったので、大学卒業後は、そのままナレーターや司会の仕事をつづけることを選択しました。そして、そのうち結婚でもして専業主婦になるのかな、などと漠然とした思いを抱いていました。今思えば、学生時代からキャリアはスタートしていたことになります。

その後、バブルがはじけイベントや展示会でのナレーターや司会の仕事が激減し、続けていくことが困難になりました。一つの仕事を得る為に、年齢差が10歳くらいの若い女性と一緒にオーディションを受けなければなりませんでした。仕事の経験やナレーションのうまさは私の方がはるかに上だ!と思っても、選考されるのは若い女性であることが多く、将来を真剣に考えなければいけない状況に追い込まれていきました。この時、ちょうど20代後半、キャリア発達の過程ではトランジッションとして捉えられる年代でもありました。

進むべき道を決めた3つのポイント

「この先、どうしていこう・・・」と将来を真剣に考えた時、年齢に左右されない仕事、人前で話すことが活かされること、年を重ねたほうが格好良いと思われること、の3点が思い浮かびました。今思うと、漠然としていますが、自分の進む道の方向性が見えた気がしました。と、ちょうどその頃、所属していた会社の系列で企業研修を行っている会社があることがわかり、「3点がピッタリはまる!それだ!」と研修講師の道へ大きく舵を切りました。

それから、二十数年、ずっと人材育成に携わっています。講師になりたての頃は、忙しい時期は春の入社時期とフォローが始まる秋くらいでした。食べていくのもやっとだったので、契約社員でフルタイム勤務をしながら、研修があると休みを取って研修先に行っていた時期もありました。この経験は、肉体的にはきつかったですが、実務経験を積むことが出来、講師の仕事にプラスになりました。その後は、研修内容の充実のために、資格を取ったり、知識をつけるためのセミナーを受講するなど、バージョンアップを図って現在に至っています。そのような講師生活の中で、方向性の幅が広がったなと感じたのは、2011年にキャリアカウンセラーの資格を取得したことです。次世代の女性リーダー研修を担当することになり、きちんとキャリアの勉強をしようと思って資格を取りました。

「今置かれている環境でベストを尽くそう!」

「結婚や子育てなどのライフイベントを乗り越えて、どのようにリーダシップを発揮し、組織の中で自律的にキャリアデザインしていくのか」、女性リーダーが直面する現実を踏まえて、人生という大きな枠から仕事人生を考える、キャリアカウンセラーの勉強で学んだことで理論に基づいた支援ができるようにもなりました。「あなただからできたのよ、ではなく、だれでもその人ごとの強みがあり、それを活かした道がある」当たり前に思える話も、理論を基にすることで、「自分はどうだろう」と向き合うことができるようになります。そして、この次世代女性リーダー研修を担当したことで、リーダーとしてのビジョンを実現するためには、チームメンバーを巻き込みながら成果を上げるチーム運営をすること、そのために「チームメンバーみんなが主体的に仕事に向き合う組織を創る」ことが大切なんだ!の思いがより強くなりました。その為、組織全体に働きかけるチームコーチの資格を取得し、現在は組織全体を支援するお手伝いも始めています。

研修講師になった時に見つけた3つの点に、その時、その時に求められていることや置かれた状況から様々な思いや私なりのありたい姿が見えてきて、次の方向が決まるように感じています。「こうじゃなきゃダメなんだ!」と考えるより、「今置かれている環境でベストを尽くそう!」と目の前にあることに一生懸命になると、自分では気が付かなかった得意なことが見えてきたり、苦手だったことができるようになっている、そんな経験をたくさんしました。そして、得意なことやできるようになったことは、自分にとっての強みになり、次に進む道の選択肢を広げてくれたように思います。

関口 由紀(せきぐち ゆき)

関口 由紀(せきぐち ゆき)

大学卒業後、フリーランスの司会業、IT関連企業を経て、研修会社にて企業研修講師としての活動を開始。主に、自動車販売の女性スタッフ営業研修に携わる。
その後、フリーランスになり、コミュニケーションを軸にした研修やキャリア研修を通して、人材育成の支援を行っている。最近は組織全体を支援する活動にも力を入れている。

【資格】
国家資格 キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Jpan キャリアカウンセラー
PHP認定 ビジネスコーチ
PHP認定 チームコーチ

コラムの感想等はこちらまで(協議会 編集担当)


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