キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

マンスリーコラム

2018年2月号

あきらめずに、できることをひたすらに。

こんな毎日を過ごしています

私が勤めている大学は、昨年創立50周年を迎えました。道内、市内には同じように創立50周年を迎えた私立大学・短期大学が複数あります。1960年代、東京オリンピックや高度経済成長に向かって前進あるのみという時代、経済商業界のニーズに応えるべく最新の学問を若者に提供しこれから来る新しい時代を担う人材の輩出を期待されて大学は開学しました。今年の春に入学してくる学生の多くはミレニアム世代、2000年生まれです。当時は、BS放送が開始しコンピューターゲームのPlaystation2が発売されました。小学高学年からは脱ゆとり教育が始まっています。

1月下旬にかかる今週は、秋セメスターの期末試験や成績評価につながるレポートの提出期限のピークです。教務担当者は、レポート回収や教員から提出される成績評価のとりまとめなど、学生の卒業や成績に関わる大変重要でかつ間違いが許されない大切な業務の繁忙期に入っています。学生活動・奨学金担当者は、卒業生祝賀会の学生実行委員会との打ち合わせや奨学金返済に関する手続き説明などに追われています。

私たち就職担当者は、これからの1か月が勝負です。1学年約700人いる大学・短大の卒業対象者を5人で分担して全員の進路を把握するため電話をかけています。実は内定を得て就職先が決まっているというありがたい発見もあれば、就職したい気持ちはあるがまだどこからも内定を得ていませんという学生も登場します。携帯に電話をかけて出てくれれば良いのですが、なかなか所在の把握が難しい学生もおります。

ある一日、内定先があるが試験のできが最悪でこのままだと卒業できないかもしれない、明後日内定先の企業に行き入社説明を聞くことになっているがどうしたらいいかと不安でいっぱいの4年生Aさん、事情があってアルバイトに追われ漸く就職活動ができるようになったので明日1社受ける予定だが今日の試験で失敗してもう絶対単位がもらえないと思うでも明日の試験は受けたいが受けてもいいかと悩んでいる4年生のBさん、それぞれから個別に相談を受けました。その後、廊下でじっと採用継続中の企業情報の掲示板を見ている学生がいたのでどうしましたか?と声をかけたところ、どこか今から受けられる企業を探しているという4年生のCさんに出会い、事情を聞いて求人情報を紹介したところ受けたいとなって大至急書類の準備を進めることになりました。そして夕方、以前何度も電話をかけてようやくつながり面談に来る約束だったがその後会えなかった4年生のDさんが、ひょっこりキャリアセンターに来ていたので急いで面談をして就職の意志の確認をしたところ、音楽活動をしたいのでしばらくはアルバイトかなと言うので、こういう会社の求人があるよと紹介すると受けてみようかなとなりこちらも急遽準備を進めることになりました。

そんな4年生の支援をしながら、さらに進路未定の学生への電話かけ、3年生の模擬面接・就職講座、短大1年生の就職ガイダンス、2月のインターンシップのサポート、3月の学内会社説明会の準備、今年度の予算の総括、内定先企業訪問の準備、今年度まだ採用数未達のため継続されている企業や新年度の採用のための情報収集希望の企業などの採用担当者様の応接といったもろもろの業務をこなす日々です。

私が大切にしていること

そんな中、私がキャリアコンサルタント、キャリアカウンセラーとして大切にしていることと言えば、相手の話を丁寧に聴き相手がどんなことを気にしてどんなことにどんな意味を持っているのかに関心を持ち、こちらの考えや意見を先に言ったりルール法則を説明したりするだけの事務職員にはならないということと、この姿勢を全職員にも持っていただき大学全体が学生のキャリアデザインをサポートする環境となるべく、自分にできることをするということです。この科目どうして履修できないのですか?と質問に来た学生に、ルールがこうなっているからそれは履修できないよと説明するだけではなく、その科目にどんな興味があるの?と関り学生の意欲を高めていく、学生のモチベーションをアップする関わりを常に職員ができるキャンパスにしたいと考え、"もちアッププログラム"として1年生全員の個人面談を職員で手分けして行う取り組みを続け、そのためのSD職員研修も行わせていただいています。

また、「自分を理解し自分を信じる力・他者を認める力」がその人を成長させると考えています。課外活動の一つとして、CDP(キャリアデザインプログラム)の活動にも関わらせていただき、私は学生の自己理解・自己発見の部を担当しています。大学生時代は、エリクソンが言うところのアイデンティティの確立の時期であり、そのためには親密な人間関係の構築と経験が重要であることを踏まえ、ナラティブとして自分の経験を語り、他者からのフィードバックを経て自分を見る・知る・考える取り組みを学生と共に進めています。今年の3月に1年生から4年間関わった学生が卒業して行きます。まとめのインタビューをしているところですが、私にとっても学びの大きい経験となり、機会を与えていただいたことに心から感謝しています。

社会はつながっている

我が国の18歳人口は1992年をピークにほぼ減少の一途をたどっていることはご存知のとおりですが、首都圏への人口流出に歯止めがかからない現状では、道内でも特に地方都市での就職者の確保が大きな課題であることを、一私立大学の就職担当者としてひしひしと感じています。道内の高校生が大学進学を考える時に、もちろん道外の大学を希望する学生もいますが、札幌にいたい・札幌へ行きたいと希望する学生が多く、その学生たちが札幌の大学を卒業してどこに就職したいかと考えた時、候補に上がるのは札幌となります。地元にもどって貢献したいと思い実現する学生もいますが、大学が直面している企業からのニーズは、道内各地が勤務地に上がっている中小企業を志望する学生探しです。つまり、地元の子供の数の減少は、のちの働き手の減少につながって行きます。

また、部活動を継続している学生を採用したいと希望される企業が多いと感じていますが、この部活動を支えているのは、大学ではなくその前の小中学・高校の現場です。その教員の方々の負担の大きさは大変なものとうかがっています。働き方改革、WLBは、企業の就労現場に限定するものではなく、教育現場に携わり働く人々にも当てはまることだと思います。社会人になっても競技に愛着があり、子供たちの部活動を支援したいと思っている方がいて、その支援を必要としている現場があるのだとすれば、この両者をつなぐ何か良い方法があるのではないかと想いを巡らせています。

そして、奨学金です。本学の学生の半数以上が何らかの奨学金を利用しており、卒業後には返済が待っています。その奨学金がなかったら、私たち大学の現場は成り立たないでしょう。こうした責任の大きさを日々感じながら、大学生活の意味を考えながら、学生と共に一日一日を有意義にして行きたいと強く願って何かできることを今すぐにと行動する毎日です。

技能士会の活動について

キャリアコンサルティング技能士会は、全国を6つの支部に分けて活動を展開しており、その活動のスタートは2010年3月に端を発していると記憶しています。2015年3月までは、北海道支部初代幹事として古島典子さん(マンスリーコラム2017年11月登壇)が、北海道の活動を牽引してくださっていました。その後任期満了、幹事選挙を機に2015-2016の2年間私が北海道支部の幹事になり、さらに2017年には全国幹事会が立ち上がり現在は、全国幹事と北海道支部長をさせていただいております。

北海道支部は、各月で定例会を開催し来月で第44回を迎えます。木村周先生をはじめとする著名な講師にご来札いただく機会にも恵まれながら、継続は力なりと思い、会員の皆様のお力を借りて活動を続けてきております。また、標準レベルのキャリコンの資格の枠にとらわれず広い範囲の有資格者が集う場として大変貴重な学びの機会になっています。特に2017年度は新しい会員が増えて支部としてパワーアップいたしました。例会の会場はJR札幌駅のすぐ近くです。ご来札の折にはぜひ、お声がけください。

*************

キャリアコンサルティング技能士会のホームページはこちら

加賀谷 晴美(かがや はるみ)

加賀谷 晴美(かがや はるみ)

大学を卒業後、道内企業に3年勤務を経て大学職員に転職。
国際交流センターにて交換留学プログラムの運営や私費外国人留学生入試・日本語教育などの事務部門に10数年携わり、人事異動で就職支援へ。入学センター等へ異動後また就職支援へ異動。就職支援は今年で通算16年目。札幌大学学生支援オフィス就職担当
資格
国家資格キャリアコンサルタント
2級キャリアコンサルティング技能士
日本キャリア開発協会 CDA 

コラムの感想等はこちらまで(協議会 編集担当)


マンスリーコラム一覧へ戻る