キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

マンスリーコラム

2020年2月号

あなたの人生はあなたのもの

ACCN中国・四国支部の福本です。未来人財育成企業giftを立ち上げ、個人でキャリアコンサルタントをしております。

同じ資格を持ったキャリアコンサルタントの方から、「資格は取ったもののハローワークやジョブカフェなどの機関じゃないと資格を取っても活かせれないですよね」とか「資格は取ったけど方向性がわからないんです・・・」というご相談を受けることがあります。

本当にそうでしょうか?

すこし長くなりますが、まず、私のキャリアコンサルタントになるきっかけとなったことからお話ししたいと思います。

私には、子供が2人いて母子家庭のため、生活費を稼ぎだすために転職を繰り返してきました。しかし、今考えるとキャリアアップのための転職だったと思います。意図せず、経験を通してさらに学びたい、さらには培った力を人の支援に活かしたい、という想いが強かったと思います。結果、資格を取得し現状につながっているのです。

今社会をにぎわす就職氷河期真っ只中の2000年初頭に、少ない経験をもとに正社員での採用を目指しましたが、企業の断り文句は「子供さんが熱を出したらどうするんですか?」というものでした。「母が見てくれますので心配はないです」とお答えしても、不採用通知をいただく日が続きました。私は、経験があるからと過信していました。しかし、応募先を何社か回った時に、「これからは資格だ!」と何か頭の上から下りて来たのです。それから、資格マニアのように資格を取り始めました。事務で役立つパソコン、簿記など履歴書や職務経歴書にかけないほど多くの事務系の資格を取得しました。

それが功を奏して、愛媛県松山市の某民放放送局に派遣社員として入社することができました。当初は、受付業務と現金取り扱いの採用でしたが、1年も経たないうちに事務処理能力を買われて準社員に登用。総務経理の仕事も部長と直接やり取りするほどになっており、「福本に回すとお金の流れが速い!」と社員からも信頼をされる立場になりました。

その時期、地デジ移行と、人事評価制度導入と二大イベントが目前にありました。

地デジ移行は愛媛県内の民放4社が協力して何とかなったのですが、人事評価制度の導入により、私の直属の上司の顔色が変わり始めたのです。目はいつも天井を見て、視線は合わず仕事をしない。できる部下・役員に気に入られている部下が、上司を追い抜かしていく下剋上が始まったのです。おそらく精神疾患を患っていたと考えられますが・・・。

その時に、「社内でこういう人たちを救うのは自分だ!」と決意し、産業カウンセリングから勉強を始めました。その後、キャリアコンサルタント、米国の実践心理学を同時に勉強し、すべて資格を取得しました。

その後、会社に人材育成をさせてほしい旨を伝えると、「君は準社員だろう!」と一言いわれて撃沈。社長秘書もしていたので直談判しましたが、その社長も東京のキー局から来られていたので権限なし。

これでは、自分のやりたいことができないと方向転換。ジョブカフェ愛workに採用され、5年間、その中でキャリアコンサルタントの基礎を教えていただきました。先輩キャリコンがたくさんいる中で、様々な知識や情報が共有され、人を支援することの面白さとやりがいを感じ、この仕事が私にとって「天職」だと確信し、技能検定1級にもチャレンジしました。

もともと、中学の時に英語に目覚め教員を目指しましたが、県採用試験で不合格。

その時にふたをした人生が少し開花しはじめたのです。ジョブカフェ愛workで培わせていただいた力は、事業運営や、経済団体との連携、県内大学での就職支援・合同会社説明会の実施、セミナーなど計り知れないほどです。ただ、残念ながら愛workにも対象者の年齢制限がありました。「天職」であるキャリアコンサルタントとして、産まれてきてから死ぬまでの方の支援がしたいとずっと考えていたので、その後個人で活動を始めました。

現在、企業研修(医療福祉業界も含む、セルフキャリアドック制度導入による個別面談)、中学・高校・大学でのキャリア教育・就職支援、行政と連携して傾聴ボランティア・障がい者・子育てサポーターの養成、高齢者向けの脳トレ、女性創業サロン、専門家派遣、子どもの感情教育、更生機関(中学・高校生対象)での出所後のキャリアビジョンの明確化・就労支援、県庁でのプロジェクトマネージャーとして企業の定着支援、キャリアコンサルタントの後進の育成、もちろん一番大好きな個人に対する個別相談など、活動は多岐にわたります。

2020年は、さらに新しい2つの大きなことチャレンジし、成し遂げようと思っております。

まだまだ活動領域を増殖中です。

私は、人に恵まれ、経験を積める環境をいただけていることに日々感謝しています。いろんな方のお話を伺う中で、「こんなことができるといいですね」と提案すると、それがお仕事に繋がります。やりたいことを人に言うことも大事な営業です。

"誰のためにどんな支援ができるか"を考えていれば、必ずご自身の資格は活きるし、活かせる場所が見つかると確信しています。キャリアコンサルタントが活躍できる場は、企業・行政・教育機関・需給調整機関以外にもたくさんあります。

私たちキャリアコンサルタントも一人の人間です。不安や心配を抱えながら人生を歩んでいます。ただ、もし、立ち止まった時、キャリアコンサルタントとして、「自分がどう生きるか?」「自分はどのような役割を担っているのか?」「支援する人の人生の名脇役になっているか?」を再度考え直してみるのもよいかもしれませんね(^_^)/

あなたはキャリアコンサルタントとして、自分の人生をどうプロデュースしますか?

福本 由美(ふくもと ゆみ)

福本 由美(ふくもと ゆみ)

略歴
愛媛県内の民放放送局に準社員として7年間勤務後、ジョブカフェ愛ワークのスタッフとして5年間勤務、より幅広くキャリア形成支援に携わるため4年前に独立し、現在は、学生の就職支援、在職者のキャリア支援、女性の独立開業支援など多方面にわたって活動を展開している。ACCN中国四国支部副支部長

資格
1級キャリアコンサルティング技能士
国家資格キャリアコンサルタント

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