マンスリーコラム
行動しないと何も変わらない ~キャリアコンサルタント資格は取ったけれど・・・~
自己紹介
私は現在、中小規模の食品メーカーにて品質保証業務に従事しています。年齢は52歳。
実は今年の3月まで大きな会社で、研究員として勤務していました。
これまでの経歴は、大学卒業後、食品の検査機関に5年勤務し、その後今年の3月まで勤めていた会社で16年ほど飲料事業に携わっておりました。飲料事業では品質保証、製品開発、生産技術などの業務を経験し、充実した職業生活を送っていました。ところが、7年前に会社が飲料事業から撤退することとなり、20年以上に渡って携わっていた食品関連の仕事から離れることになりました。ここ数年は会社の中核事業の研究所で働いておりましたが、昨年早期退職の募集に応募し、今年51歳で転職活動をしました。
早期退職の決断と転職活動の苦戦
研究所に勤務時、私は職場にいた5人の派遣社員の方の相談役を任されていたのですが、ある時、派遣社員と正社員との業務上の人間関係トラブルの対応に当たる機会があり、充分な対応ができたと思っていたにもかかわらず、派遣社員の方が辞めてしまうという経験をしました。
このとき「当事者が抱える本当の気持ち」を汲み取れていなかったのではないかと感じ、これをきっかけに「傾聴」を学び始めました。傾聴を学ぶうちに「個人のキャリア」について関心を持つようになり、2020年に国家資格キャリアコンサルタント(以下、キャリコンと記載)を取得するに至りました。
早期退職を決断したのは、キャリコンを取得したことも理由の一つですが、将来的に対人支援に係わる仕事をしていきたいと思い始めたからでした。
転職は2回目ですが、51歳で挑んだ転職活動では年齢の壁に大変苦労しました。とにかく面接まで辿り着けない...。今回の転職ではこれまでに全く実務経験の無い人事関連業務を希望したことも苦戦した要因だと思いますが、年齢だけ確認して想定範囲外だった場合は、応募書類には目を通してもらえていないのではないか、と勘繰ってしまうほどでした。
結局、転職活動途中からもともと好きな業種である食品分野での職務経験をアピールすることで現職を得ることができました。
資格を活かす場は自分で作り出すもの
現職に従事し始めてから、本来業務の品質保証業務の傍ら、職場の問題、組織上の問題についてキャリコン視点で色々と会社に進言するようになりました。
人事部長と取締役の1人は私がキャリコンを所持していることを把握していることもあり、私の進言に耳を傾けてくださると共に、少しずつ人事関連の打ち合わせに呼んでくださるようになりました。今では必要に応じてキャリア面談を行うことも許可頂いています。
ただ、現在は会社のキャリコンとして任命されているわけではないので、クライエントの利益を守り、面談で得られた情報は会社側には提供できないこと、キャリコンの立場で会社側に伝えるべきと判断される場合はクライエントの了承を得た上で会社側に提案を行うことになる旨を人事部長と取締役には伝えており、了解を得て活動しています。
今後は人材育成体制の充実を図る必要があると考えており、人事部と協力して仕組み作りに携わって行きたいと思っています。
キャリコンの取得後、なかなか資格を活用する場がないと思っていましたが、個人的には社会課題解決にキャリコンを絡めた事業構想を模索してみたり、プロボノに参加してみたりして自分から行動して来ていたこともあり、現職に就いてから会社に対して進言することを躊躇無く出来たのではないかと考えています。
現在ACCN神奈川支部で活動をしていますが、キャリコンを活かす場が無いという話を耳にすることがあります。でもその場というのは自分で作り出せるのではないでしょうか。まずは「自分が行動しなければ何も変わらない」と私は感じています。
コラムの感想等はこちらまで(協議会 コラム担当)
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