マンスリーコラム
「聴くこと」の無力さを超えて
――20年のキャリアを経て見つけた私の道
キャリアコンサルタントという道との出会いは、今振り返れば必然のような偶然でした。
社会人として20年以上、営業や企画に奔走し、得意先と協力関係を築きながら仕事に邁進する日々に、私は大きなやりがいを感じていました。
それまでは、将来も営業職を続けていくのだろうと、ぼんやり考えていました。
しかしある時、尊敬していた得意先の方がメンタル不調に陥ってしまったのです。
原因は、環境の変化に伴う部署異動でした。
仕事上の関係がなくなっても、時折お会いしてお話を伺うことがありました。しかし、苦しむ声を聴きながら、「私の話の聴き方は、これで正しいのか?」「専門的な話の聴き方があるのではないか」。目の前の大切な人の力になれない自分の無力さ。それが、私とキャリアコンサルティングを繋ぐ出発点となりました。
そんな時、社内広報誌で偶然目にしたのが「キャリアコンサルタント」の文字でした。キャリアコンサルティングの概要を目にした時、これだ!と直感しました。すぐさまキャリアコンサルタント養成講座へ申し込みました。
「目の前で悩む人の役に立ちたい。でも、思いだけでは不十分だ。先人たちが築き上げた知恵を学んで役に立ちたい」。あの時の迷いのない決断が私の人生の転換点となりました。
現在はIT企業へと転身して2年弱、キャリアコンサルタントとして1,000件以上の面談の場に立たせていただいております。
日々感じるのは、相談内容に一つとして同じものはないということです。
しかし、その根底には共通して流れるものがあるとも感じています。それは、誰もが持っている「成長に向かって伸びていこうとする力」です。
私は相談者自身の持つその可能性を信じて、寄り添わせていただく伴走者にすぎません。
キャリアコンサルティングという領域は、学べば学ぶほど広くて深い海のようです。
そしていま感じているのは私自身の49年の未熟な歩みも、不思議と今の仕事につながっていると言うことです。
28年前の韓国ソウルへの留学経験は、韓国人エンジニアとの面談で。営業時代、"内観"を通じて亡き父と対話し、自身の固執した価値観に気づいた経験は、多様な価値観をありのままに受け止める力に。ふと疲れを感じた時に走るトレイルランニングは、自然の中で自身の小ささを実感し、自分を見つめ直す大切な時間となっています。
そして、ACCN中部支部研修の公開スーパーバイジーとしてスーパーバイザーの受容的な指導に救われた経験は、相談者に寄り添う力になっています。
「すべての働く人が生き生きとすること」
これが私の目標です。目の前の一人ひとりに誠実に向き合い、小さな貢献を積み重ねていくこと。その歩みの中で迷いが生じたとき、ACCNの運営メンバーや講師の方々に温かく相談に乗っていただける環境は、私にとって何より大きな支えとなっています。
自分自身の研鑽と成長が、相談者の方々の力になると信じて、一歩ずつこの道を歩んでまいります。
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