キャリアコンサルティング協議会は国家資格「キャリアコンサルタント」の試験機関および指定登録機関と、国家検定「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定」の指定試験機関です。

マンスリーコラム

2026年3月号

キャリアコンサルティングで一番大事な能力についての私見

皆さんはキャリアコンサルティングで一番大事な能力について考えたことはありますか? このマンスリーコラムをお読みくださっている方々は、基本的にキャリアコンサルタントの方がほとんどだと思うので、標題には"キャリアコンサルティング"と記載しましたが、私が考える一番大事な能力は"対人援助"を行っているすべての方に共通する、必要な能力だと思っています。
それは、「主訴を把握する能力」です。
当たり前と言えば当たり前なのですが、これが一番大事であることに異論を唱える人はあまりいないと思います。

それでは「主訴」って一体なんでしょうか? クライエント(以下、CLと記載)さんは、明確な主訴を持って面談にいらっしゃるのでしょうか? 私は、多くのCLさんは明確な主訴を持って面談に来ることはないと思っています。一見明確な主訴を持っていらっしゃるように見えても、自覚の有る無しにかかわらず、実は迷っている部分もあったり、何かモヤモヤした感覚を抱いていたり・・・
つまり、主訴とはCLさんが抱えている不安や迷い、判然としない気持ちの中にある何かであり、それが何であるかを知るために面談に来ているのでは無いかと思うのです。

先にも記載したとおり、キャリアコンサルティングをはじめとする相談業務では、CLさん自身がご自身の主訴に気付いていなかったりするわけですが、そのような状況の中で本当の主訴("裏の主訴"と言ったりもしますが)にCLさんが気付き、ご自身の言葉で語っていただけるような面談ができる能力が一番大事な能力なのでは?と思っています。

養成講座では色々な理論や知識、情報を学びますが、いくらこれらを有していたとしても、主訴が把握できなければ活用出来ません。
ではどうすれば(本当の)主訴を把握できるのでしょうか? 私はそれを可能にする手段は、やはり傾聴だと思います。

傾聴については養成講座でもかなりの時間を割いて学んだと思いますし、「傾聴は大切だ」と言う話は比較的よく耳にします。でも傾聴に特化して学ぶ機会があるかというと、ほとんど無いような気がしていますし、それを反映してか「傾聴は苦手」なんて言う話もたまに聞こえてきます。皆さんは傾聴を上達させるために、普段何かしていることはありますか? 
先ほど私は、「傾聴は手段」だと言いました。確かに理論としての傾聴もありますが、手段としての傾聴を上達させるためには練習が必要です。

傾聴力向上のための練習について少し触れると、私は普段から自分の心の動きに気を留めています。自分自身の気持ちを分かろうとするためです。自分の気持ちも分からないのに他人の心に埋もれている気持ちを感じ取ることは出来ないと思っています。いきなり自分の心の動きを感じることはハードルが高いという場合は、自分の身体に沸き起こる感覚に気を留めるようにすると取りつきやすいかもしれません。これはジェンドリンの言うフェルトセンスですが、傾聴力向上のための練習にはとても有効です。

話が傾聴の方に逸れてしまいましたが、キャリアコンサルティングで一番大事だと私が考える「主訴を把握する能力」を上げるために、今一度傾聴力の向上を意識してみてはいかがでしょうか。

黒田 周作(くろだ しゅうさく)

黒田 周作(くろだ しゅうさく)

黒田 周作(くろだ しゅうさく)
ACCN神奈川支部 支部長
国家資格キャリアコンサルタント

大学卒業後、食品の検査機関に勤務、転職して飲料メーカーで品質保証、開発、生産技術を経験。その後、研究所の研究員として勤務時に51歳で早期退職に応募し転職。現在は食品メーカーで品質保証・品質管理の業務に従事しているが、キャリアコンサルタント資格を活用して会社に働きかけ、人事関連業務にも係わる。

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