マンスリーコラム
【ゆるキャリ】第10回 生きづらさの時代とキャリアコンサルティング
■生きづらさを感じている人はどれぐらいいるのでしょう?
突然ですが、あなたは生きづらさを感じることがありますか ?
「生きづらさ」というテーマで、10代から70代の一般の方を対象とした調査がありまして、その結果によると「 全く感じない」という人は8%、「ほとんど感じない」は40% でした。そして「頻繁に感じる」は 16% 、「たまに感じる」は 36%でした。
参考:「2人に1人が「生きづらさを感じる」と回答 - それを実感する場所、最多は? 」マイナビニュース2023/11/24掲載(ワンネス株式会社「生きづらさ」に関する実態調査引用)
■生きづらさを感じる人は多いのでしょうか?
この調査で実に半数以上の方は生きづらさを感じながら生きているということがわかリました。この数字が何を意味するのか、それは価値観によって様々でしょう。
例えば、生きるというのはそもそもが辛いことなのだ...という人間観であれば、半分なんて生ぬるい!と思われるかもしれません。 私も 昭和の生まれですが、昭和ならそういう価値観があったような印象を持っています。
■ウェルビーイングの時代
しかし 現代社会はそういう時代でもありません。
ウェルビーイングが世界的な関心事として注目されています。長寿社会に向けてただ長生きをすればいいというだけではなく生き方の質、もっと言えば人生の満足度のようなものが追求される時代になってきました。キャリアコンサルティングもただ生きていけばいいというものではなく、より良い生き方を追求するものです。なので、今現在のキャリアコンサルティングの価値観からすると、半数の方が生きづらさを感じているというのは改善しなくては...と今後の課題として考えていくことになります。
■生きづらさの正体とは
では、生きづらさの正体は何でしょう?
少し大げさになりますがシンプルに表現すると、私たちの遥かむかしのご先祖が困難な環境を生き抜いた遠い記憶が私たちを 生きづらくしています。
なぜかと言うと私たちのご先祖はジャングルからサバンナに生存環境を変えた時、サバンナは一箇所でじっとしていると死んでしまうという環境でした。次はどこへ向かえば生き残れるか、それを必死で考え続けなければ死んでしまいます。私たちのご先祖は少なくとも500万年以上は考え続けて生き残ってきたことが近年の人類学的な証拠から明らかになっています。
■生きづらさとこの先の不安はご先祖からの贈り物
そこで私たちは常にこの先の物語を描いていなければなんだか不安になってくる、つまり生きづらい生き物になったのです。逆に言えばこの先の物語を見つけることはとてもとても大きな喜びになるのです。 この喜びはご先祖からの贈り物だと私は思っています。
今多くの人が感じている生きづらさは 漠然とした将来への不安ではないでしょうか。この先どうなるかわからない、どうなるかわからなすぎて展望を追いかけにくい 、そんな中で私たちは生きているのです。
この生きづらさと向き合える専門職、それはキャリアコンサルタントでしょう。キャリアコンサルティングとは何かと私が一般の方に聞かれたら、ほとんどの場合でクライアントのこの先の物語をご一緒に描く仕事ですとお答えしています。そして キャリアコンサルタントはそのための専門性を豊富に備えています。生きづらい現代社会で 本当の意味で力になれる、そんなキャリアコンサルティングを私もいつも目指しています。
生きづらい時代だからこそ、さあこの先の未来を語り合いましょう。そして私たちの展望を描きましょう。その時の喜びがご先祖からの大きな大きな贈り物なのです。
杉山 崇 さあ、あなたの物語を整えよう mi-mollet(ミモレ)
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