マンスリーコラム
【 キャリなに? 】#3 キャリアコンサルタントとしての適性
今のあなたには、キャリアコンサルタントとしての適性がどのくらいありますか。どんなところをどのように伸ばしていきたいと考えていますか。
「適性」とは、その仕事に必要な知識、スキル、経験などの能力、行動の仕方などの性格、興味・価値観、意欲などが、その仕事にどの程度合致しているかを言います。資質という用語が似た意味で使われることもありますが、これはどちらかというと獲得されたというより、生まれつき持っている性質や才能、能力を指すことが多いようです。先天的な特性であり、個人の基本的な性格や傾向、潜在的な能力を表すのが一般的です。
適性を考えるうえでは、知識やスキルといった能力だけでなく、個人の性格や行動傾向も重要な要素となります。ここでいう「性格」とは、その人らしい行動の基本的な傾向を指します。性格は、一貫性(ある人は同じような場面ではいつも同じように行動する)と弁別性(同じような場面でも人によって行動の仕方は異なる)によって特徴づけられる、いかにもその人らしい行動の基本的な傾向を指します。遺伝の影響を強く受ける生まれつきの特徴と、その後の発達の過程で獲得した行動の傾向、さらには現在の生活の中で期待される役割や関係の中での行動の仕方が関係しているとされています。行動の仕方などの性格も生まれつきのものだけではありません。
つまり、適性は伸ばせる、と考えられるわけです。向き不向きは変えられるといいかえることもできます。
キャリアコンサルタントの適性については、職業能力開発促進法施行規則別表第11の3の2「キャリアコンサルタント養成講習の科目・範囲・時間数」が参考になります(下記参考資料 参照)。ここでは主に、知識、能力、スキルについて網羅されていますが、「五 キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢(4)キャリアコンサルタントとしての姿勢」において、基本的態度や姿勢についても言及されています。そこには「キャリアコンサルティングは個人の人生に関わる重要な役割、責任を担うものであることを自覚し、キャリア形成支援者としての自身のあるべき姿を明確にすることができること。また、キャリア形成支援者として、自己理解を深め、自らのキャリア形成に必要な能力開発を行うことの必要性について、主体的に理解できること」とあります。
個別面談の場面で考えると、相談者に対して敬意を払い、誠実に向き合うこと、自己一致しようとしていること、無条件の肯定的関心を払うこと、共感的理解をしようとすること、相談者を理解しようと努めることなどが挙げられます。なりたい姿を思い描くことやスーパービジョン、研修に対する自発的な姿勢についても求められています。
これらに加えて、「不安を抱える力」をあげてもいいかもしれません。相談者の力になれるだろうか。指導者からこんなこともできないのかといわれたらどうしよう。不安の種は尽きません。一方で、他人を傷つけていることには鈍感なのに自分が受けた被害は騒ぎ立てる風潮が指摘される社会の中で、不安を抱えるのは大変なことです。ややもすると、「自分が安心するために」が行動を決めてしまいがちです。「キャリアコンサルティングは個人の人生に関わる重要な役割、責任を担うものであることを自覚し」ているからこそ、誰かに認めてもらいたい、相談者に感謝してもらいたい、どうしたらいいかの正解が知りたいなどと思うことは自然なことかもしれません。こういったゆがみは、不安を抱える力の不足と関係しているのでしょう。
適性は伸ばしていくことができます。しかし、近道はありません。少しでも相談者の力になりたいと誠実に向き合うことで成長していきます。不安に押しつぶされることなく、不安を抱えながら王道を進む力強さが、キャリアコンサルタントには求められています。
参考資料:厚生労働省Webサイト
職業能力開発促進法施行規則及び職業能力開発促進法施行規則第四十八条の十七第一項 第一号及び第二号に規定する講習の指定に関する省令の一部を改正する省令(概要)より(職業能力開発促進法施行規則別表第11の3の2 改正後)
#コラム「キャリアコンサルタントって何をする人?」#3
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